あなたを信じてる
異常気象だ何だと騒がれているものの、春の足音は聞こえてきている。そんな時期。「そろそろホワイトデーですね、ご主人様」 仮面カフェのカウンターでコップを磨きながら、レオンが明るい声で話しかけてきた。ちょうど客も少ないタイミングなので、ちょっ…
ライドカメンズ短編
イノソンス
『特別なあの人に、特別なチョコを。ボーテ、アムール、シャンス、ミニョン、イノソンスの5種類、発売中』 デパートで見たその広告に、凜花は目を惹かれた。 チョコの名前は全部フランス語で、それぞれ美しさ、愛、幸運、可愛さ、純粋を指す。凜花が特に目…
ライドカメンズ短編
遊園地でつかまえて
私を探さないで、 楽しんでくれる? 仕掛けなんてないわ。 置いて行かないから、 寂しくないでしょう? 額面通りに受け取って構わないわ。 心配しないで。 手紙にしたんだから。 その手紙が届いたのは、食事を済ませてそろそろ出ようかと相談し始め…
ライドカメンズ短編
聞きたい
「ごめんなさい、その日は財閥の方で仕事があるのよ」 1月10日。 ジャスティスライドから才悟の誕生日会に誘われたのだが、今年はあいにく仕事が入ってしまった。なので先に謝る事にした。 話を聞いた四人は顔を見合わせて落ち込むが、まあ仕方ないかと…
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初日の出
そのバイクが来たのは、朝六時前の事だった。 凜花は既に来訪を知っていたので、才悟がチャイムを鳴らす前にタワマン入り口で待っていた。「お待たせ」「いや、待っていない。キミは早いな」 バイクのキーを入れながら才悟が言う。実のところ、お誘いが嬉…
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「既読」
クリスマスは仕事だと最初から言っていたが、何もできないと言うわけではない。凜花はそうタカをくくっていた。 しかし現実は厳しく、コスモス財閥主催のパーティーに対し凜花ができる事は座っている事だけだ。 暇だからと言ってライダーフォンを見るわけ…
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「●●●●」
「ほんと助かったよ。掃いても掃いても全然片付かないからさ」 そう言って才悟を称賛するのは、今回の依頼主である地区内会の一人。季節は秋なので、中央公園で大量の落ち葉を掃いて片づけたいのだが、人手が足りないという理由で、仮面ライダー屋全員に依頼…
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逃避行
ランスとQの問題と向き合うために、二人でホテルに泊まる事になった。高塔のチェックが入るのは重々承知の上で、ある。何かを考えているランスを横目に、ごろりと寝転がる。緊張感がない気もするが、体力回復のためだと自分に言い聞かせた。 どちらも何も…
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あなたと花火を
『みんなで祭りに行こうぜ』 陽真曰く、虹顔市の隣の市で祭りがあるらしく、彼の誘いはそこの祭りだった。規模は虹顔市より小さいものの、花火も打ちあがるらしい。 そのラインに対し、凛花はすぐに「行くわ」と返信する。日にち的にも問題ないし、最近はカ…
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少女の休日
ぴぴぴぴぴ、とアラーム音が鳴る。 その音で朝が来たことに気づいた凛花は、むっくりと体を起こした。 今日は完全なオフの日。 仮面カフェは内部改装のために一日だけ臨時休業だし、財閥の方もレオンの方が顔を出すからと昨日から張り切っていた。「おな…
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エージェントの休日・夏
「みんな、空いてる時間はあるかしら」 そうタワーエンブレムとギャンビッツインを含むライダーたちに聞くのは、年若いエージェント。 そろそろ来ると思ってた、なんて思いながらも、彼らは少女の話に耳を傾ける。「暑くなってきたし、うちの避暑地でゆっく…
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彼女は思い込みが激しい
三月も中旬になるかという頃。 そろそろ春物のコートを出してもいいなとぼんやりと思っていると、凛花はその会話を耳にしてしまった。「……人には言えない事をしている」「……伊織とか?」「……そう言う事なら……」 会話の主は伊織陽真を抜いたジャス…
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