ボクらの太陽 Another・Children・Encounter36「リンクス」
現実世界。 レビが突然倒れたので最初はパニックになったが、リッキーが「精神がここにはいないだけだ。じきに元に戻る」と断言したので、荒らされていなかった家で療養させる事にした。 もちろん、レビが倒れている間何もしないわけにはいかない。リッキ…
ボクタイ長編9
ボクらの太陽 Another・Children・Encounter35「メモリー」
始まりはどこかから広がった「世界崩壊」の噂。 ただの妄想だと一笑に付していた者達もいたが、それを真に受けて宗教じみた事を言い出す者や、むやみやたらに生き残ろうと足掻く者も出てきた。 それらの混乱が世界規模で広がり始めていた頃、その「崩壊」…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter34「えいごうらせん」
見せたいものがある。 ザジにそう言われて、サバタは彼女と共に図書館へとやって来ていた。 司書であるレディとザジが話し合うことしばし、「こっちへおいで」とレディが二人を誘う。図書館の中でも、一般客は行けない古い本が眠っている場所だ。 目的の…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter33「行く道絶望的」
完全に崩れ落ちたエフェス=レジセイアの中に、エフェスの姿はなかった。 取り込まれた以上、無事でいられるとは思っていなかったが、まさか一緒に浄化されるとは思っていなかった。結局、自分はまた救えなかった。「……くそっ……」 いらだつ思いは足に…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter32「最終適格者」
話はエフェス=レジセイアとシャレルたちが戦っていた頃までさかのぼる。 一人彷徨っていたフートは、とある場所で休憩をとることにした。日差しも都合よくさえぎってくれているので、大の字になって身体を休める。 サン・ミゲルを出て、もうどのくらい経…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter31「零のかたちにさよならを」
エフェス――霊にして零。 何もない幽霊、ただあるのは本能だけ。元の身体に戻りたいと言う本能だけ。 ある意味、原種の欠片と同じような存在だ。 様々な力によって、アンデッドが人間となった。それは奇跡。 必要のないものばかりが集まり、一つの形を…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter30「エモーショナル・クライシス」
精神的な疲れが、とうとう足をすくった。 倒れてすぐに起き上がろうとするが、身体が全然動かない。今日はこれが限界のようだ。 どのくらい歩いたのだろうか、とふと思う。自分があの街から出てもう二日は経っている。歩いてきた距離を簡単に算出すると、…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter29「ミステリアス・マインド」
最初それに気づいたのは、一番近い存在であるブリュンヒルデだった。 いくら太陽の光を浴び続けていてもダメージを全く受けないのを疑問に思った彼女は、少し辺りを調べてみる。そう長くかからずに、その理由が解った。 この地に、原種の欠片と同じような…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter28「極彩色墓地」
リタの行方を追い、ジャンゴはサン・ミゲルを離れた。 これはカンだが、彼女はサン・ミゲルやイストラカンなどの場所にはいないと思ったのだ。とにかく遠くへ。何となくそう思った。 バイクを飛ばし、カンに任せて走る。この行く当てがなさ過ぎる旅は、い…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter27「迷宮のプリズナー」
くるしい、つらい。 こっちをみないで、かまわないで。 たすけて、たすけて、たすけてたすけてたすけてタスケテタスケテタスケテタスケテ 「ふーっ、ふーっ……」 荒い息をつきながら、フートはふらふらと歩く。 エフェスと別れ、もうどのく…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter26「一難去ってまた一難」
原種の欠片は消えた。 とりあえず封印の強化(と言うべきなのだろうか)は成功したので、ほっと胸をなでおろすジャンゴ。 ――父様! こっちも成功したよ! 明るい声で娘がリンクしてくる。とりあえず目の前の災難は何とかできたので、ようやく一息つけ…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter25「協演」
「原種の欠片を元に戻す?」 最初それを聞いた時、自分の耳(?)を疑いそうになった。 原種の欠片は常に強固な封印の中にあり、『元に還す』事は実質不可能に近い。封印を強化する事を『元に還す』というのならうなずけるが、シャレルの言い方はそうとは思…
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