ボクらの太陽 Another・Children・Encounter48「サンクス・フレンズ」
元気でね 棺桶からのダークの攻撃からかばわれたのだ、と気づいたのはすぐの事だった。だが、「誰から」かばわれたのかを理解するのには、しばらくの時を要した。 それだけ信じられなかったのだ。エフェスが、自分の前に立って全ての攻撃を受…
ボクタイ長編9
ボクらの太陽 Another・Children・Encounter47「其れは舞い散る花の如く」
何もない無へと帰ったはずだった。 自分はフートの思念の欠片が集まって出来た、いわばダークの望んだ新人類の出来の悪いレプリカ。いずれはフートの元へと帰るモノ。 だから、自分が自分だと理解できる時がもう一度来るとは思っていなかった。 それが起…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter46「ガール・ミーツ・ア・ボーイ」
ジャンゴとリタ(ダーク)との戦いに決着がついた頃、シャレルとフート=レジセイアの戦いも終焉を迎えていた。 状況はシャレルの圧倒的不利。ダークはほぼ無限の体力を持っているのに対して、シャレルの体力は成人大人レベル。霊力で強化されていても、そ…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter45「Snow」
鋭い爪の一撃は、たやすく斧で切り払われる。 だが、シャレルにとって爪の一撃はあくまでけん制。本命の一撃を決めるために、シャレルは攻撃を繰り返す事でフート=レジセイアの動きを操っていく。(一つ、二つ、三つ……) 心の中でカウントを数え、十に…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter44「――君を守ると誓う――」
全てを肯定しろとは言わない。 ただ己がいること自体は肯定しろ。 誰の言葉だっただろうか。 知らないうちに、ジャンゴの脳裏にこびりついている言葉だった。「肯定、か」 つい口に出た言葉に、ダークは首をかしげた。 何度目かわからないダッシュと共…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter43「深層回廊」
シャレルから最初その案を出された時、リッキーは正気かと疑いたくなった。 だが考えれば考えるほど、実はその手しかないのではとも思えてきた。それだけ、無茶苦茶ながらも可能性はある方法だったのだ。 まだ帰っていなかったブリュンヒルデも、難色を示…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter42「自分のために戦わないなら全てが無駄だ」
かつて彼が聞きました。 人の心は何だと。 かつて彼は言いました。 生きるためには自分以外の存在が邪魔なのだと。 フートの様子は少しやつれている程度で、そう大きな変化は見られない。 だが、彼に言わせれば中にいるダークがそう見せか…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter41「サヴァイバー!」
最初に動いたのはブルーティカだった。 懐から大きなライフルを取り出したかと思うと、シャレルめがけて撃つ。 当然それに当たるシャレルではない。軽いステップで避けて、ブルーティカとの距離を詰めていく。ガン・デル・ソルはまだ手元にあるので、それ…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter40「ファイナル・プレゼンテーション」
最下層へと続くエレベーターに乗り、そのまままっすぐ地の底へと向かう。 敵の攻撃を予想していたが、予想は大きく外れて何の襲撃もなかった。アースクレイドルはあくまで人工冬眠施設ゆえ、トラップなどは全然ない。 ここまで敵の攻撃がなさ過ぎると言う…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter39「大地が赤い」
流れる視界が、見覚えのあるものへと変化してきた。枯れた荒野に、死の匂いがかすかにする草原。 流石に24時間ぶっちぎりとは行かず、途中で休みを入れながら走ってきたが、予想以上に速くサン・ミゲルへと帰れそうだ。ジャンゴはそのことに安堵のため息…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter38「深淵来たりて」
「着いたわ」 ブリュンヒルデの一言でシャレルは辺りを見回すが、それらしいのはどこにもなく、ただの荒野が広がっていた。「大地の揺り篭」なのだから、地中にあるのだろうが。 シャレルがきょろきょろと見回しているのを見て、ブリュンヒルデはぶつぶつと…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter37「壊れるなら笑ってからにしろ」
太陽樹――ソルの力で、おてんこさまは未来から現在へと戻ってきた。「「おてんこさま!」」 最初何がどうなっているのか解らずに頭が混乱しそうになったが、ジャンゴとザジの声に自分は過去――自分にとっての今――に戻ってきたのに気がついた。 慌てて…
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