moon dream,moon doom・9
解決方法は知っているのに それをやろうとしないんだ 夕闇が完全に夜の闇へと変わったその時、サバタの周りにあったイモータルの匂いが消えた。そして、「!!」 サバタが起き上がった。「兄さん!?」「サバタ!」 今日も見守…
ボクタイ長編5
moon dream,moon doom・8
俺は違う所へと落ち続けていく 死人と歩きながら 消すことが出来ない嘘と一緒に 「第一段階は、偽りの母であるヘルを殺すこと」 ――やめろ「第二段階は、カーミラの魂をダークマターの檻に閉じ込めること」 ――言うな「第三段…
ボクタイ長編5
moon dream,moon doom・7
でも俺は純真さを感じる 俺の一部は奪われるが 手放すつもりはない ムスペルの亡骸を見つめる『サバタ』の目には、同情も哀れみもなく、純粋にその存在の境遇を悲しんでいる色があった。 サバタには絶対生み出せない表情。サバタには難しい…
ボクタイ長編5
moon dream,moon doom・6
方法は何もない 俺の信念に対して真実を知らせてくれ この混乱状態は 現実なのか想像なのか 俺は気が狂ったか 「都合のいい世界で、貴方は永遠に眠り続ける気なのね」 そういい残して、フリウは消えた。正直、サバタは彼女が何しに来たのか…
ボクタイ長編5
moon dream,moon doom・5
人生とは何かを知らないほうが いいと言う人もいる 彼らは絶対に気がつかないだろう もう手遅れだということを ソファで眠っているサバタは、一見何の異常も変調もないように見えた。だが、安全のためにザジに診せた。「……夢の中におるな…
ボクタイ長編5
moon dream,moon doom・4
入り込んでしまったこの怒りを抑えて欲しい この状況を変えてくれ。俺には新しいことが必要だ 視線があった。 自分と同じブラッドレッドの目は、確かにサバタを映している。――彼にはサバタが見えている。「……お前、見えているのか?」『…
ボクタイ長編5
moon dream,moon doom・3
時が過ぎ行く中、自分自身を見つめてみろ それがお前の姿 予想していた通りか? それともまだ可能性を追うつもりか 太陽少年の『サバタ』を追ううちに、サバタはあることに気がついた。 体が軽い。比喩でもなんでもなく、本当に体か羽のよ…
ボクタイ長編5
moon dream,moon doom・2
始まったときの自分を取り戻すために 一つずつ乗り越えていく バラバラになってしまう前に 双子の名前は姉がスキファ、妹の名前がフリウ。お互い略称で呼び合っているようだ。 最初はサバタを怖がっていた二人だが、上手く聞き上手に徹して…
ボクタイ長編5
moon dream,moon doom・1
いつかは何かが変わるだなんて信じるな 夢を見ているだけ 誰かの声で目が覚めた。「…ちっ……」 何故か舌打ちする。低血圧から来る苛立ちか、夢を思い出せなかったことに対する苛立ちか、それとも朝が来たことに対しての苛立ちか。 分から…
ボクタイ長編5