ボクらの太陽 Another・Children・Encounter12「ストレイ・チルドレン」
自分とは何? その問いは、いつまでも続く。 例えそれが不死を演じるだけの一族だったとしても、その問いからは逃げられない。存在する、それだけで「その意味」が問われるのだ。 人によって答えは様々だが、一つだけ確かで、どの人物にも当てはまる物が…
ボクタイ長編9
ボクらの太陽 Another・Children・Encounter11「境目」
メナソルは焦っていた。 何者かは知らないが、レビを上手く操ってシャレルと戦わせてくれたが、追い詰めるどころか逆に洗脳を解かれて和解してしまった。 おそらく彼女たちは、まっすぐにこっちに向ってくるだろう。もう説得の余地はない。 オヴォミナム…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter10「現在(ここ)より未来(とわ)へ」
貴方は誰? 君は誰? 僕は ボクは ――貴方と繋がる者 過去の父の声は予想以上に若々しく、ほんのちょっとだけ頼りにならなそうだった。情けないというより、頼ってしまったら壊れそうな、そんな儚げな所があった。 それでも始めて聞く若…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter9「ディア・マイ・ドーター」
部屋内は薄暗かったが、シャレルが一歩踏み出すと明かりがついた。人が入ると、自動的に明かりがつく仕組みになっているらしい。 辺りを警戒していると、ちょうど目の前に何かうずくまっている人を見つけた。黒一色の中に、一つだけ銀色のものがきらきらと…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter8「ブラックキャッスル」
太陽都市直通の魔方陣と同じく、ここの魔方陣も誰かに荒らされる事なく残っていた。 封印のためのキーも全て解き、シャレルたちはすぐに暗黒城に乗り込んだ。 黒き城は、三度目の血潮に染まる。最早、死せる者に安らぎを、という言葉はただの気休めへと変…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter7「リターン・オア・リバース?」
日が沈めば月が出る。 新月という例外はあるが、基本的に太陽と月は対を成すものである。だから、太陽仔と月光仔は常に一つと思われがちだ。 だが、逆に何故皆そう思うのか。レビにとっては大きな疑問だった。 太陽がなければ月には価値がないのか。月が…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter6「MARIA&LILITH」
おてんこさまの次はガン・デル・ソル。 そして太陽樹の異変。 ここまで来ると、次は何が起きてもおかしくなくなった。 ジャンゴはショックのあまり倒れてしまったリタの看病をしながら、消えたガン・デル・ソルの行方を考えていた。 何かがあると分かっ…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter5「紅の一族」
小さい頃、ガン・デル・ソルを持たせてもらい、撃ったことがある。『とーたま、これががんでるそるなの?』『ああ、そうだよ。太陽の一族の中でも、選ばれた者にしかこの銃は使えないんだ。シャレルに使えるかな?』『ボク使えるもん!』 ムキになってガン…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter4「足りない物」
話には聞いていた。 強敵を求めて復活を繰り返す不死身のヴァンパイア・ロード。長きに渡って、太陽仔の一族を付け狙ってきた男。 だが『太陽少年ジャンゴ』の活躍により、その執念の生に幕を閉じられ、永遠の闇へと還ったはず……だった。「伯爵! 貴様…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter3「戦いは、舞いと同じで」
太陽の一族と戦って、もうどのくらいの時が経ったのだろう。 数えるのも面倒なくらいの長い間、何人ものヴァンパイアハンターと戦ってきた。勝利したこともあれば、敗北したこともある。 その中で、一番の好敵手とも言えたのが紅の血筋だ。真紅のマフラー…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter 2「スピリチュアル・ガール」
おてんこさまが行方不明になったのは、あっという間に大事件となった。 何せ太陽の精霊が、「自分の意思でなく」消えたのだ。何かに巻き込まれた可能性は高い。 早速ザジが星読みを始めるが、ろくな情報はつかめなかった。スミスたちも街の外まで出て、色…
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ボクらの太陽 Another・Children・Encounter 1「エンカウント!」
その日は、途中まで平和だった。 いつものように道具屋に寄って少しおしゃべりして、いつものように宿屋にも寄って少しおしゃべりして、剣や銃の腕を上げるために修行して。 何一つ異常などない日常の中で、ジャンゴはのんびりと平和を満喫していた。 ……
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