初日の出
水平線が少しずつ明るくなっていく。 暗い海をオレンジ色の日が少しずつ切り取っていく。日が昇ってくる合図だ。だが、今朝はいつもと違う。新年初めての日の出……所謂初日の出だ。 そして。「うーん、いい景色!」 ウェーブロードに腰かけたハープ・ノ…
流星短編
ゴシックロリータ
「いや本当に助かったよ~。服もよく似合うし!」 そんな事を言うのは国民的アイドル響ミソラ。「……報酬のためだ。勘違いするな」 ミソラの言葉に対して冷たく否定するのは、鋭く赤い目が印象的な白髪の少年――ソロだった。 何故こうなったかと言うと。…
流星短編
写真に写った物
その日、ミソラは次に出すアルバムセレクションのジャケット撮影に来ていた。「いいよいいよミソラちゃん、もっと笑顔ちょうだい!」 カメラマンの要望通り、笑顔をたくさん向ける。営業用のスマイルではなく、カメラの先にいるであろうファンの皆に向けた…
流星短編
積み重ねていくもの
とある町で、ソロと会った。「久しぶりじゃん、元気?」「……」 相変わらずの不愛想かつノーリアクション。逆にそれが挨拶の一つでもあると解ってるミソラは、「お腹空いてない?」とソロに聞いた。「貴様には関係ない」「何も食べてないならちょっと食べ…
流星短編
私の夢へ
「ふん、このぐらいで泣き言を言わない辺り、少しは覚悟を決めてるようだな」 そう言う襲撃者。 この国民的アイドルに対してその態度。普通の人間だったら訴えてとことん追い詰めてやるところだ。だけど、この相手に対してそれは通用しない。 だから。「当…
流星短編
アイスクリーム考察
「あー、最悪」 バケツをひっくり返したかのようなゲリラ豪雨に対し、ミソラはそう愚痴った。 珍しく今日の仕事は午前中に終わった。 なので近くの街に降りてウィンドウショッピングを楽しんでいたのだが、視界の端に黒い何かを見たのが運の尽き。 気づけ…
流星短編
くろゆめ
ゆめかうつつかまぼろしか ただひとつだけいえるのは てをさしのべられなかった 暗い闇の中に、ミソラは一人いた。 確か布団に潜り込んで寝たまでは覚えているので、多分夢の中なのだろう。 夢の中と認識できる夢なんて珍しいな、なんて思う。せっかく…
流星短編
騒音
がこん、がこんと電車が通る音。 どどどどど、とドリルが地面を削る音。 ぎゃあぎゃあと誰かが叫ぶ声。『最近ここも騒がしくなってきたわね』 ハンターVGの中のハープが困った声を上げる。無理もない。自分たちのように音を商売にしている者にとって、…
流星短編
会談
「あ、ルナちゃん? ちょっと出れるかな……」 某月某日。 ミソラはオフの日に、ルナに電話をかけて呼び出した。 場所はソロと一緒に飲んだバーが良かったが、あいにく昼間から飲むわけには行かない。そこで、個室が取れる定食屋を選ぶことに…
流星短編
Don’t touch my woman!
「ルナちゃん、まだかなぁ」 2月13日。 ミソラはルナと一緒にバレンタインのチョコレートを買いに来ていた。 とは言っても本命チョコは既に作り終えており、今買いに来ているのは義理チョコ・友チョコの類だ。 ルナがおすすめの店があると言って連れて…
流星短編
幻の名曲
響ミソラの曲はいろいろ存在する。 絆の尊さを歌った「ハートウェーブ」「絆・ウェーブ」。 ある人物へのラブレターとも言われる「シューティング・スター」。 それ以外にもたくさんのミリオンヒットを世に出してきた彼女だが、その中で一つだけ「幻の名…
流星短編
ツーサイドアップ
ソロは何もない日は適当にどこかを歩くのが日課になっている。新しい発見があるかも知れないからだ。 その日も特に何もないので、ソロは適当に街中をぶらぶらと歩いていた。 ゲーム店に立ち寄って面白そうなレトロゲームを探したり、喫茶店で暖かいコーヒ…
流星短編