アイスクリーム考察
「あー、最悪」 バケツをひっくり返したかのようなゲリラ豪雨に対し、ミソラはそう愚痴った。 珍しく今日の仕事は午前中に終わった。 なので近くの街に降りてウィンドウショッピングを楽しんでいたのだが、視界の端に黒い何かを見たのが運の尽き。 気づけ…
流星短編
くろゆめ
ゆめかうつつかまぼろしか ただひとつだけいえるのは てをさしのべられなかった 暗い闇の中に、ミソラは一人いた。 確か布団に潜り込んで寝たまでは覚えているので、多分夢の中なのだろう。 夢の中と認識できる夢なんて珍しいな、なんて思う。せっかく…
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騒音
がこん、がこんと電車が通る音。 どどどどど、とドリルが地面を削る音。 ぎゃあぎゃあと誰かが叫ぶ声。『最近ここも騒がしくなってきたわね』 ハンターVGの中のハープが困った声を上げる。無理もない。自分たちのように音を商売にしている者にとって、…
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会談
「あ、ルナちゃん? ちょっと出れるかな……」 某月某日。 ミソラはオフの日に、ルナに電話をかけて呼び出した。 場所はソロと一緒に飲んだバーが良かったが、あいにく昼間から飲むわけには行かない。そこで、個室が取れる定食屋を選ぶことに…
流星短編
Don’t touch my woman!
「ルナちゃん、まだかなぁ」 2月13日。 ミソラはルナと一緒にバレンタインのチョコレートを買いに来ていた。 とは言っても本命チョコは既に作り終えており、今買いに来ているのは義理チョコ・友チョコの類だ。 ルナがおすすめの店があると言って連れて…
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幻の名曲
響ミソラの曲はいろいろ存在する。 絆の尊さを歌った「ハートウェーブ」「絆・ウェーブ」。 ある人物へのラブレターとも言われる「シューティング・スター」。 それ以外にもたくさんのミリオンヒットを世に出してきた彼女だが、その中で一つだけ「幻の名…
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ツーサイドアップ
ソロは何もない日は適当にどこかを歩くのが日課になっている。新しい発見があるかも知れないからだ。 その日も特に何もないので、ソロは適当に街中をぶらぶらと歩いていた。 ゲーム店に立ち寄って面白そうなレトロゲームを探したり、喫茶店で暖かいコーヒ…
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アイソレーション・タンク
バレンタインの日、ソロはいつも通りミソラからチョコレートを渡された。 最初の頃は何か裏があるのではと警戒していたが、数年続けばさすがに純粋なプレゼントだと解る。 受け取らないという選択肢もあるが、そうすると後々厄介な騒動になるのは既に経験…
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缶コーヒー考察
夏真っ盛り。 暑いを超えて熱い空気の中、ミソラは自動販売機の前に見覚えのある後ろ姿を見つけた。「ソロ?」 ミソラの声に、自動販売機の前で立ち尽くしていたモノクロな人影がこっちを向く。さすがに暑いのか、いつもの鋭さを感じなかった。 ……いや…
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絵葉書
季節は夏。 8月2日真っ只中に、その手紙は届いた。 奇しくも8月2日は響ミソラの誕生日であり、山のようにプレゼントが集まった。 花束やお菓子などのお約束な物から、服やバッグにぬいぐるみ、果ては指輪などのアクセサリーがトラック単位で雪崩れ込…
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遣らずの雨
『遣らずの雨』 帰ろうとする人を引き留めるかのように降ってくる雨。 雨は今も降り続けている。 先ほどウィザードたちが教えてくれたが、この雨は一晩ずっと続くらしい。「夕方は晴れてたのに」 降りしきる雨を見ながら、女――響ミソラがぼやく。声には…
流星短編
歌姫はただ憤る
ソロがサテラポリス管轄の病院に入院したと聞いて、スバルは見舞いに訪れた。 しかし今だ面会謝絶で、ソロ自身も担ぎ込まれてからずっと寝ていると聞いて、スバルはサテラポリスの方に寄る事にした。 暁シドウから事の次第を聞いていた時、ミソラが顔を出…
流星短編