流星短編

わたしのへや

 見方が少し違うだけで、考え方も違う。 彼の言葉は一種の哲学だ。 これが最近加わった、ミソラのソロ――『彼』の評価である。 最初はただの敵だったが、徐々に色々付け加えられて、今では『彼』という存在が解らなくなっている。自分にとって、彼は何な…

とある孤高の戦士のホワイトデー

 ソロは困っていた。珍しい事に。 理由は一つ。明後日来る3月14日の事だ。「……『ホワイトデーは3倍返し』……」 あちこちで見かけるこのフレーズ。ホワイトデーを盛り上げるための口実の一つだが、今はただソロを悩ませるだけに過ぎない。 そもそも…

酒と泪と男と女?

 6月×日大安吉日。午後8時過ぎ。 星河家と白金家の結婚式→披露宴→二次会のプログラムが終わり、招待客が家路についていた。 今も変わらぬ大人気アイドル・響ミソラもその一人だった。 20代となりますます美しさと歌声に磨きがかかった彼女だが、そ…

ファーストデート・インプレッション

 カードにある数字は、4・5・6・7・8。 そしてその柄は……全てダイヤ。「……ストレートフラッシュだ」 誰かが、ぽつりとつぶやく。 それが勝負の終わりとなった。「何だよスバル! 最後の最後で負けやがって!」「しょうがないよ。ストレートフラ…

戦士と歌姫の話

 全くの気まぐれでピンチに陥ったのは、不幸としか言いようがない。 複雑なスカイウェーブを渡りに渡り、やがては細い道へと迷い込んでいたハープ・ノート……響ミソラは、帰り道が解らずに困り果てていた。「どこがどこなんだか解らないわ……」『だから調…

私は彼を知らない・3「扉の向こう側」

 目の前に大きな扉があります。 その扉の向こうには誰かがいます。 貴方はその扉をどうしますか? 扉を壊しますか? 鍵を持ってきて開けますか? それとも 中の人が開けてくれるまで待ちますか? でも。 どれだけ選択肢があったとしても、「はい、ど…

私は彼を知らない・2「猫と少年」

 猫がいた。 その猫は一人で生きていた。 猫がいた。 その猫は一人で死んでいった。 嗚呼、私は猫になりたい。 猫ならきっと、一人で生きても大丈夫。 嗚呼、私は猫になりたい。 猫ならきっと、一人で死んでも大丈夫。  &nb…

私は彼を知らない・1「予期せぬ客人」

  一匹狼は群れに入らずにいる狼を指す。 一匹狼は群れに入れない狼を指す。 狼は何故群れに入らないのか。 もしかしたら、一人で行動するのが合ってるのかもしれない。 もしかしたら、群れるのが苦手なのかもしれない。 もしかしたら、入ろ…

巡る 地獄の季節

 絆というものが美し過ぎて恐ろしいものだと気づいたのは、いつごろかな。 昔の私は、世界で一番大事なものを奪われた事で、耳をふさいで歩いていた。 ただ口を開いては頭に浮かんだフレーズを歌う。それだけで周りは自分を褒め、自分を許してくれた。それ…