ライドカメンズ短編

君を守ると誓う

「すまない、少し時間はあるか?」 才悟たち教育地区のライダーがジャスティスライドというクラスとなってしばらくの事。 執務室で仕事をしていた凛花の元に、魅上才悟がひょっこりと顔を出した。「どうしたの?」 普段は仮面ライダー屋としてあちこち回っ…

おもいで

   それはただの夢なのか。 それとも本当に有った記憶なのか。  小さいころから虫が好きだった。植物が好きだった。 一人でいることは別に苦痛ではなかったし、他の人が怖がるような場所も怖くなかった。だから一人で虫…

シャッターチャンス

 最初に気づいたのは、伊織陽真だった。「あれ、このアルバム……」「どうしたの?」 深水紫苑がひょこっと覗き込む。何だ何だと魅上才悟と蒲生慈玄も覗き込むが、三人とも陽真が気づいたポイントには気づいてなさげだ。「いや……あの子の写真が一枚も載っ…

仮面の宴・舞台袖

 下町のカオストーン騒動から始まった事件は何とか丸く収まった。 高塔兄弟の喧嘩も無事に仲直りし、戴天と雨竜は仲のいい社長と社長秘書としてここ――仮面カフェに来ている。 ようやく落ち着いた……とエージェントの少女はほっと一息ついて、ウーロン茶…

キミがよく眠れるように

 エージェントが倒れた。 一人で調査している間に急に身体がだるくなったらしいのだが、まだ大丈夫だと無理をした結果、仮面カフェで倒れてしまった。 当時客がいなかったのが不幸中の幸いで、急ぎレオンが自室まで運び医者を呼んだ。 医者の見立ては無理…

彼女がドレスに着替えたら

 その夜、コスモス財閥が抱えている屋敷でパーティーが行われていた。 財政界のパーティーなので仮面ライダー屋はほとんど関係がない……と思いきや、レオンから直々に依頼が来た。曰く、高塔兄弟や主の持つカオストーンを狙ってくる可能性が有り得るので、…

かくりよのうみ

 夜の海は好きだ。とは言っても、今日初めて見たのだけれど。 暗いので海と空の境目が解らないところ、波が軽く押し寄せては音を立てるところ、小さな光が明滅するところ。 昼の海とは全く違う世界が、そこにあった。(まるで異世界への扉が開いたみたい)…

続・執事の独白

 からん、と水の中の氷が少し動く。 コップが汗をかいているのだが、彼――魅上才悟は気づくことなくぼんやりとしている。「……ふぅ」 珍しいため息。何も知らない女子たちがこっそりきゃあきゃあと騒いでいるのだが、彼はそれらに気を遣う余裕はない。だ…

プラネタリウム

 満天の星が目の前に広がっている。 虹顔市では見られなかった空に、魅上才悟は思わず息を飲み込んだ。 隣に座っているであろうエージェントの少女も同じように、この空に感動しているのだろうか。 今、才悟はエージェントの少女と共に、隣の市のプラネタ…

あにいもうと

 彼女にとって魅上才悟は兄であり、弟である。 年齢的には兄なのだが、性格的に危なっかしく、何かと世話を焼きたくなってしまう。そういう点では、弟ともいえる。 ……少なくとも、少女にとって才悟はそんな存在だった。「ほら、魅上くん。袖が汚れるわよ…

全部颯のせいです

 ある日の仮面カフェ。 いつも通りに水を頼み、それを飲んでいると、景気よくドアベルが鳴って颯が入ってきた。「やっほー! ……あれ、才悟?」 颯はこっちに気づくと、ぱたぱたとこっちに近づいてくる。別に一人で飲みたかったわけでもないので、黙って…

「ミカミサイゴ」

 鳴り響くベルに、仮面ライダー才悟は足を止めた。 たくさんの生徒たちが校舎に吸い込まれていく。どうやら朝の登校時間のようだ。『今日授業終わったら何する?』『はー、やっと朝練終わった~』『おい、そろそろ校門閉めるぞ!』『やだなー、宿題済ませて…