逃避行
ランスとQの問題と向き合うために、二人でホテルに泊まる事になった。高塔のチェックが入るのは重々承知の上で、ある。何かを考えているランスを横目に、ごろりと寝転がる。緊張感がない気もするが、体力回復のためだと自分に言い聞かせた。 どちらも何も…
ライドカメンズ短編
あなたと花火を
『みんなで祭りに行こうぜ』 陽真曰く、虹顔市の隣の市で祭りがあるらしく、彼の誘いはそこの祭りだった。規模は虹顔市より小さいものの、花火も打ちあがるらしい。 そのラインに対し、凛花はすぐに「行くわ」と返信する。日にち的にも問題ないし、最近はカ…
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少女の休日
ぴぴぴぴぴ、とアラーム音が鳴る。 その音で朝が来たことに気づいた凛花は、むっくりと体を起こした。 今日は完全なオフの日。 仮面カフェは内部改装のために一日だけ臨時休業だし、財閥の方もレオンの方が顔を出すからと昨日から張り切っていた。「おな…
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エージェントの休日・夏
「みんな、空いてる時間はあるかしら」 そうタワーエンブレムとギャンビッツインを含むライダーたちに聞くのは、年若いエージェント。 そろそろ来ると思ってた、なんて思いながらも、彼らは少女の話に耳を傾ける。「暑くなってきたし、うちの避暑地でゆっく…
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彼女は思い込みが激しい
三月も中旬になるかという頃。 そろそろ春物のコートを出してもいいなとぼんやりと思っていると、凛花はその会話を耳にしてしまった。「……人には言えない事をしている」「……伊織とか?」「……そう言う事なら……」 会話の主は伊織陽真を抜いたジャス…
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オードパルファム
梅雨明けが宣言された最近は、特に暑い。 当然だが熱中症対策をして仕事をしているのだが、匂いはどうしようもない。伊織陽真が「これはきついなぁ」と匂い消しを買ってきてくれたので、最近はそれをかけて匂い対策もしている。 そんな暑い日の中。昼飯を…
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おめでとう
ぺらり。 カレンダーをめくる。「あら」「どうなさいました」 凛花の言葉にレオンが反応した。ただ、カレンダーの方に視線を向けているのは凛花だけだ。「いや、もうすぐみんなと会って一年なのねって思って」「ああ……」 一年前、博物館に訪れ、ライダ…
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ツーショット
タップ、スワイプ、スワイプ、タップ……。 ライダーフォンを操作し、目的の写真を呼び出す。花見の時、凛花自身が撮った写真。 凛花の視線は、執事レオンの前にいる男――魅上才悟だった。「……」 才悟の写真は少ない。写真を撮るきっかけがなかなかな…
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1本の桜がある
桜前線が北へ北へと上りつつある一日。虹顔市の桜は徐々に花から葉に変わりつつあった。 凛花が今見上げている桜の木も、半分が葉になっていて、緑とピンクの混ざり合った色となっていた。「あら」 開いた弁当箱の中に、桜の花びらが一枚入り込む。 その…
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エージェントの休日・春
「みんな、空いてる時間はあるかしら」 年若いエージェントがウィズダムシンクスをはじめとした仮面ライダーたちに呼びかける。 その切り出し方に懐かしい物を感じつつも、彼らは少女の言葉に耳を傾けた。「やっと暖かくなってきたでしょう? この機会に『…
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ジャスティスライドのホワイトデー
ホワイトデーまで後1日を切った。 ジャスティスライドは先月のバレンタインのお返しとして、深水紫苑たちの家でクッキーなどのお菓子を作っていた。「これで完成か」「お疲れ様、蒲生くん」 慈玄や陽真がそれぞれ焼き菓子を完成させる中、才悟はいまだせ…
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エージェントの休日・冬
「みんな、空いてる時間はあるかしら」 そう切り出したのは、若いエージェント。 少女の言葉に耳を傾けたのは、マッドガイやスラムデイズをはじめとした仮面ライダーたちだ。「最近寒いでしょう? 暖かい温泉旅館にみんなを招待したくて」 冬の寒さが厳し…
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