少女と青年とツノアリツノツノ
少女は、虫が好きだった。 クラスの男の子たちに混じって虫を追いかけ、捕まえては笑顔になっていた。同世代の女子が可愛いシールを集めている頃、少女はセミの抜け殻を集めて満足していた。 だが、親をはじめとした周りは、そんな彼女の趣味を理解せずに…
ライドカメンズ長編2
人身事故
『〇〇駅で人身事故があったため、この電車は××駅にて一時停車いたします。ご理解と……」 電車内で無常なアナウンスが流れる。そのアナウンスに、怒りやら絶望やらのため息があちこちから漏れた。 時間は7時40分。どうも人身事故は大きなものらしく、…
ライドカメンズ長編2
合コン脱走談
「いいからあんたも来なさいよ。イイ男たくさん来るわよ」 そう言われて、無理やり連れていかれた合コン。なるほど、確かにイケメンが揃っている。自分を誘った女――琴子が言うには、スペックもかなりのものらしい。自分には関係ないが。 そう、私にとって…
ライドカメンズ長編2
完璧主義の憂鬱
本当に、本当にそれは偶然だった。 虹顔市の超高級ラウンジ「ウィズダム」で食事と酒を堪能をした後、サブのバッグを置き忘れていた事に気づき、慌ててウィズダムに引き返した。 失態だった。周りから完璧だと言われている自分が、こんなポカミスをやらか…
ライドカメンズ長編2
娯楽地区のバーにて
「あんたさぁ、山寺くん振ったってホント?」「当たり前よ。こないだ年収聞いたらいくらだったと思う? 500万よ500万! 安すぎにもほどがあるわよ!」「今のご時世、それだけ稼いでるって相当凄いと思うんだけど……」「はぁ? 全っっ然凄くないわよ…
ライドカメンズ長編2
謎かけ
謎を解くカギを教えよう。 君は過去と目の前だけしか見ていないが、もっと周りを見てごらん。 私に渡されたメモにはそう書かれてあった。 私が彼を知ったのは、虹顔市にあるクラブ前だった。 独身既婚関係なしの集まりによる一種の女子会。だがそこに、…
ライドカメンズ長編2
見えざる鬼火
この世界は、地獄だ。 それが彼女の中を占めていた。 地獄の始まりは、両親が交通事故で他界してから。 誰もが自分を引き取る、引き取らないで揉める中、一人手を上げたのが、ほぼ赤の他人と言っていいぐらいの遠縁の叔父だった。 独り身でお金もあるし…
ライドカメンズ長編2
オフ会
ゴンちゃん:このチャットグループも作ってからそろそろ1年経つなーQ:ん? ん? 何々、何かやらかすつもりなの?ゼロ卿:悪い事ならお断りだぜwwヤンマ:迷惑系も勘弁なwwwゴンちゃん:違う違う、グループ1周年ってことで、リアルで集まらないか?…
ライドカメンズ長編2
美術雑誌のコラム
昨今の芸術界は若手が育ちにくいと言われて、もう何年経つだろうか。 誰が言い出したか知らないが、確かにレイヴン・ダンのようなインパクトのある天才は今の時代現れていない。全くもって残念である。 しかしいないからと言って、ここで筆をおくわけには…
ライドカメンズ長編2
ルッキズム
いつの時代でも、ルッキズムは結局変わらないと思う。 美人や美形はもてはやされ、そうでないのは蔑まれる。特にスクールカーストにおいて、美醜は大きな違いになる。 実際今、私はそのスクールカーストにおける被害を受けていた。「ちょっとブサ子、これ…
ライドカメンズ長編2
サプライズプロジェクト
それを見つけたのは、本当に偶然だった。 定年退職間近の部長である私が見たもの。それは部下である社員たちが、集まってああでもないこうでもないと相談している姿だった。「ちょっとあなた達、何してるの?」 咎めるつもりはないが、たくさんの人が一塊…
ライドカメンズ長編2
セッション
彼女にとって、SoLAIREとは人生であり自分自身だった。 代表曲の「Neon Parade」はもちろん、ブレイクする前の「Solo」、「Grand Crown」なども毎日リピするぐらいだった。周りの人間がよく解らないアイドルや俳優の話題…
ライドカメンズ長編2