ライドカメンズ短編

彼のジャンパー

「最悪だわ……傘を忘れるなんて」 唐突のゲリラ豪雨。 それに見舞われた私は、傘を持ってこなかった自分に唾を吐きつつ、近くの建物に逃げ込んでいた。 今日は珍しいオフの日。 図書館に借りていた本を返したまでは良かったんだけど、端っこにあった黒い…

Call my name

 ――なまえをよんで「……何をしているんだ?」「あ、魅上君」 夜。 クリアファイルを抱えてバタバタしているところを、仮面ライダーの一人である魅上才悟に呼び止められた。 無理もない。仮面カフェの仕事も終わっているのに、何らかの書類を抱えて走り…