私が歌い始めたのは、いつ?
私に歌を教えてくれたのは、誰?
本当に私が歌いたかったのは、何?
本当に私の歌を愛してくれるのは、一人だけ?
白は誰にも染まらない証。絶対的な象徴。……頑なな物のシンボル。
気づけば自分の目の前に、白い扉がある。絶対に開けられない扉。でも開けなければならない扉。
歌うのは好き。大好き。
だけど、歌う以上に目を背けてはならないものだってある。それは、そこにいる白いタキシードを着た少年の事ではない。その白い扉の向こう側だ。
歌が止まる。
私は、何かしないといけなかった。
歌よりも大事で、しなくてはいけないことがあったはずだ。
それはスバルとは全く関係ない、私自身の最大の問題。
『ミソラちゃん!』
『ミソラちゃん!』
みんなが私を呼ぶ。私の周りを取り巻く。でも、私はその先へ行きたい。
その扉を開けたい。
その扉の先にいるであろう誰かに会いたい。
――その扉の先にいる誰かに、謝りたい。