年が明けた。新年だ。
という事で、リタも着物に着替えて作っておいたおせちを三人に振舞った。初めてだっだが、味は良かったらしく、「美味しい」と口を揃えて言ってくれたのが嬉しかった。
甘酒もちょっとだけ飲み、初詣も終わらせ、何のトラブルもなく、元旦は終わるはずだった。
……そう、終わると思っていた。晩御飯に、黒ジャンゴから「もう一杯いいでしょ」と甘酒を勧められるまでは。
何故かしつこく勧める黒ジャンゴを不審に思ったが、もう一杯ならいいかなと思って口につけてしまった。味こそ悪くはないのだが……。
「ん……」
全部飲み干すと、何故か身体が熱くなる。酒に酔った熱さではなく、この熱さは性的感覚の熱さだ。
三人を睨みつける(熱を持ってたから潤んだ目に見えただろう)と、黒ジャンゴはにやにや笑い、ソルジャンゴは困ったように首をすくめ、ジャンゴはぷいっとそっぽを向く。
「な、何入れたんですか……?」
そう問い詰めると、意外にも黒ジャンゴがあっさりと「媚薬」と答えた。
「お正月といったら姫初めだよね?」
「…だからって、もう……」
「一人ずつだとリタは疲れちゃうだろうから、三人で一気にやろうかなーって思って」
「……」
やられた。黒ジャンゴだけの考えかと思いきや、どうやら三人ともグルだったようだ。文句を言おうとした口は、あっさりジャンゴの深い口付けで抑えられた。
歯を突っつかれ、舌を舐められて唾液をくっつけさせられる。媚薬入りの甘酒を飲んでしまったので、それだけで快感に襲われて力が抜けていく。
無防備になったリタを見て、黒ジャンゴやソルジャンゴも動いた。黒ジャンゴは着物を脱がして、露になった乳房に舌を這わせる。右はジャンゴの手が抑えたので左側だ。
「さ、先に行くぞ」
ソルジャンゴは律儀にも一言断ってから、足を開かせて秘所に口付けた。もうしとしとと濡れたそこは、ソルジャンゴが舌を入れただけで蜜をこぼしていく。
口内は熱くかき回され、乳房は激しく揉みしだかれる。その間も痕が点々と付けられ、秘所は奥まで舐められる。三人がかりの攻めに、あっという間に身体は熱くなった。
快感を求めて腰は激しく動き、手は誰かの身体を強く掴む。当然のことながら着物は着崩れていて、それがまたジャンゴたちをそそらせた。
「んんっ……あぁぁぁっ!」
とうとうリタが達した。ソルジャンゴの口内を蜜でいっぱいにしながら、ぐったりと後ろにいたジャンゴに寄りかかる。
精液や蜜こそかかっていないが、着物は折り目などがついてしまって無残な状態だった。このままではクリーニングに出さないといけなくなるだろう。
「お、お願い、脱がして……」
これ以上着物を汚したくないので、つい懇願してしまった。もう恥ずかしいなどの感覚は、遠くに消えてしまっている。
黒ジャンゴは剥ぐようにリタの着物を脱がし、馬乗りになるようにリタの上に覆いかぶさった。ちょうど谷間のあたりに、熱くなった黒ジャンゴのそれが当たった。
「あ、熱……」
「今度は、リタが俺たちを気持ちよくさせてよ」
おずおずと起き上がり、黒ジャンゴのモノをくわえ込む。ここまではいつもと変わらないが、いつしか後ろに回りこんだソルジャンゴが、秘所に自分のモノを当てた。
「ま、まららめれふ……」
「安心しろ、まだ入れんから……」
そう言って四つんばいにさせると、くっつけてこすり合わせる。前と後ろを取られたジャンゴは、むすっとした顔でそれを見ていた。
リタはソルジャンゴのモノを後ろで感じながら、ただひたすら黒ジャンゴのモノをしゃぶるように舐めていく。三人はもちろん、二人がかりというのも初めてだった。
媚薬の効果で身体は熱く、秘所は早く入れてほしいと言わんばかりにふるふると震えている。焦らされて、リタの動きはますます激しくなった。
やがて二人に限界が訪れそうになる。リタもまた達しそうになるが、その直前でジャンゴが奪うように手を伸ばす。リタを強引に引き寄せたジャンゴは、秘所に指を突っ込んだ。
「あっ、ああ……っ!」
「おい、抜け駆けはなし!」
また達したリタを見て、黒ジャンゴが頬を膨らませた。だが、ジャンゴは不機嫌そうな顔でむすっとしたままだ。
「お前たちだけで楽しもうとしてたじゃないか!」
「なっ……!」
その言葉に反応したのは、意外にもソルジャンゴだった。ジャンゴの腕の中からリタを奪還し、秘所とはちょっと違った穴――尻の方に自分のモノを突きつけた。
まだ黒ジャンゴによって開けられたばかりのそこに、ソルジャンゴのモノが当たる。ぼーっとしていたリタはびくりと身体を震わせるが、ソルジャンゴはお構い無しだ。
ひざの上に座らせられるような形になって、一気に貫かれた。
「えぅ、ああっ、ソルさま……、わ……、私まだ…っ、ああぅっ、イッたばかり……ひぁぁぁっ……」
「す、すまん、もう止められない……!」
イッたばかりの身体に、あまり開発されていない場所を攻められるのは苦痛だ。三人が何を考えてるのか解らないが、いくらなんでもこれはひどい。
苦痛交じりの涙を見て、慌ててジャンゴが涙をふき取るように口付ける。そのまま抱きつこうとするが、間に黒ジャンゴが割り込んだ。
「お先に~♪」
「あぁぁぁん!」
一足遅れて、リタの膣内に黒ジャンゴのモノが入り込んできた。快感が二倍となって、リタの頭の中が真っ白になる。口からは喘ぎ声だけが漏れ、蜜や汗が身体を濡らした。
黒ジャンゴが、リタの後ろにいるソルジャンゴごと引き寄せるように押し倒した。下に黒ジャンゴ、上にソルジャンゴに攻められ、快感だけを求める雌へとなりそうになる。
様子を見ていたジャンゴがのそのそ動き、空いたリタの口に自分のモノを押し込む。もはや口の中の圧迫感も、気持ちいいと思えてしまった。
「んっ……んふぅっ……むむ……っ……」
「す、凄い締め付けだ……!」
「リタってば、こんなにえっちで気持ちいいんだから……」
「……リタ、凄くいいよ……」
口もふさがれたので喘ぎ声すら出せないリタをむさぼりながら、三人が喘ぎ声を漏らす。その内容も、三者三様だ。
そして、四人はすぐに達する。
「んっ! んんぅっ! んふぅぅぅぅぅ!!」
自分の身体の中で、ほぼ同時に三人のモノから精液がほど走ったのを感じると、リタも同じ勢いで蜜を吹き出す。全員力尽きたように倒れ、息を整えていた。
だが、しばらくすると肌と肌が重なり合い、また三人が我先にとリタの身体に吸い付いた。
繋がりあう水音や、肌と肌がぶつかり合う音、喘ぎ声だけが響き、部屋内は精液と蜜の匂いだけで満たされる。吹き出した液体が、四人の身体をたくさん濡らしていった。
三人の少年が代わる代わるリタの中に射精していく様は、見た目こそただの強姦だが、四人にとってはただの姫初めに過ぎない。犯し犯された感覚は、微塵もなかった。
「や……もうおかしくなりそぉ…………」
そう口から出ても、リタは上か下のどっちかで誰かのモノをくわえ込み、身体全体で精液を受けていく。精液まみれになっても、誰かが舌でふき取った。
ソルジャンゴが角で秘所をえぐるように突いたかと思うと、ジャンゴはリタに耳を舐められて喘ぎ声を上げる。その間、黒ジャンゴはリタの性感帯を見つけては弄っていった。
やがて。
「も、もうダメだ……っ……」
ゆっくりと一人ずつ果てていく。しばらく荒い息をついていたかと思うと、その息は寝息へと変わる。
「あっ、ああん! ああああああああああっ!!」
リタも黒ジャンゴに突かれて、完全に果ててしまった。
もう何度目か解らない絶頂と、膣内ではじけるようにあふれ出た黒ジャンゴの精液を感じながら、リタの意識は闇へと落ちた。
目を開けると、ちょっと見慣れない天井がリタを向かえた。
「ん……?」
重くてだるい身体を起こそうとすると、そっとその身体を優しく押さえられた。
「起きた?」
降りかかったジャンゴの声で、ようやくここはジャンゴの部屋だというのを思い出す。確か四人で睦みあったのは居間だったので、ジャンゴが運んできたのだろう。
そこまで思い出して、リタは今何時なのかが急に気になりだした。再度身体を起こそうとするが、またジャンゴに押さえられた。
「今、二日の昼頃だから」
「嘘!?」
ヤり始めたのが一日の9時ごろ。どのくらいヤッてたのかは解らないが、少なくとも自分は半日寝ていたことになる。
リタは起き上がろうとして……やめた。どうせまたジャンゴに押さえられるのは目に見えているし、今更起きた所で遅い気がしたからだ。
それに。
自分は何も着ていなかった。これはジャンゴが運んでそのままにしておいたのだろうが、そのジャンゴも何も着ていない。という事は……。
「……腰とか、凄く痛いんですけど」
「嘘でしょ」
「明日から、仕事始めたいんですけど」
「三日まで正月」
「後で二人とも怒りますよ」
「罰ゲーム中だから」
もう反対するための言葉をなくし、リタはぶすっと膨れ面になる。無論、そんな事で怖気づくジャンゴではないのだが。
一応シーツによって素肌を見せずには済んでいるが、ジャンゴも今同じシーツに包まっている。つまり、阻めるものは何もなし。
「大人しくした方がいいよ?」
「ジャンゴさま、えっち……あん」
最後の抵抗と口で押し返そうとするが、シーツを取られて乳房の先端を舐められては喘ぎ声にしかならない。カーテンを閉めて暗くしてくれたのが、せめてもの情けか。
新年早々こんなじゃ本当にどうなるのかしら。
ジャンゴの深い口付けを享受しながら、リタはふとそんな事を思った。
「おーお、凄い凄い」
罰ゲームとして居間の掃除をしていた黒ジャンゴが、ジャンゴの部屋をこっそりのぞいて感嘆のため息を漏らしていた。
彼の視線の先にあるのは、激しく繋がりあっている自分のオリジナルであるジャンゴとリタだった。今のところ、二人は互いに夢中でこっちに気がついていない。
黒ジャンゴの隣で、「人の情事を覗き見するとは」とぶちぶちと言いながらもソルジャンゴが覗いていた。やっぱり気になるところなのだろう。
――抜いちゃいやぁ……もっとジャンゴさまのが欲しいのぉ……
――んっ……リタの膣内……気持ちよすぎる……っ
甘い睦言を言いながら、二人はベッドの上で激しく動いている。正直、一体どこにそんな体力とかが出て来るんだと聞きたいくらいだ。
「しかし、あそこまでやる事はないんじゃないのか?」
「オリジナルは独占欲が結構強いからねぇ」
独り占めしたがるジャンゴは、姫初めが三人一緒なのが納得いかなかったのだろう。だから何だかんだと文句をつけて自分たちを引き離し、その間に……というわけだ。
「ああいう形で追い詰めないとどうしても押し倒せないというのは、嫌われやすいと思うのだが」
ソルジャンゴがぼそりと言い、黒ジャンゴがこくこくとうなずいた。
二人にそんな事を言われている事を露とも知らずに、ジャンゴとリタは姫初めを続けているのだった。