貴女の選択肢
マルティナはイシの村についてあまり知らない。そもそも、その場所に村がある事すら知らなかった。 知っているのは、イレブンはそこで拾われて育ったという事。ウルノーガに取り付かれた父の命令で、焼き払われてしまった事。 そんな村に一度寄ろうと言い…
DQ11短編
貴女との距離
16歳は大人だと言われているが、実際に大人で許されている行為をすぐに行ったわけではない。飲酒も、その一つだった。 一応旅立ち前夜に母が一杯だけワインを飲ませてくれたが、その感想は「何か苦い」だった。 飲み続ければいずれ慣れるだろうと思いつ…
DQ11短編
「HaPpiNeSS kEEpeR(幸福の守護者)」
差し込む朝日の光がまぶしい。「おはようございます。マルティナ姫さま」 今だ一人で起きられないマルティナの一日の始まりは、起こしに来たメイドの声で始まる。いい加減メイドの力を借りずに起きたいものだが、柔らかなベッドと布団の魅力には勝てない。…
DQ11短編
膝枕
ベロニカとセーニャから聞いたことだが、マルティナは寝るとうなされることが多いらしい。曰く、悪夢を見やすいのだとか。 無理もない、とイレブンは思う。16年前のあの出来事から、彼女はずっと戦い続けてきた。自分を手放した事を後悔しながら、悲劇を…
DQ11短編
メタルヨッチのお悩み相談室
オレの名前はメタル。ヨッチ族だ。 何、ヨッチ族を知らない? ああ、そこから説明せにゃならんか。 ヨッチ族ってのは、まあなんだ、時間の流れを見守る種族だ。こんなぬいぐるみみたいな見た目だからそうには見えないだろうがな。 当然っちゃ当然だが、…
DQ11短編