メテオス長編

METEOS・7

『父さん、ここってヘブンズドアっていうんだよね? 何で天国の門なの?』 自分によく似た少年が、自分の父親に向かって話している。まだ幼い自分の双子の弟――セレン・アルデバラン。 父は少し困った顔をしたが、やがて『ここは神隠しが多いんだ』と答え…

METEOS・6

 宇宙基準時間にしてちょうど正午に、戦艦メタモアークはとある中継ステーションにたどり着いた。辺境ゆえにそれほど規模は大きくないが、それでも施設はちゃんと揃っている。「こちら銀河連合軍特務部隊メタモアーク。戦艦ナンバーはMX-4X。確認お願い…

METEOS・5

 じー……じじ、じー…… ノイズ音。 ――……が、成功すれば…… ――危険…………失敗……可能性が… ――サンプルはいくらでも…… ――………く、稼動すれば…… 爆発して消えていく、自分と同じ『型』。 びーっ! びーっ! びーっ! ブザー音…

METEOS・4

 転移した先は、GEL-GELを拾った廃棄惑星から一光年は遠い場所だった。 幸い、近くに駐在基地があるので、メタモアークは修理と補給を兼ねてそっちに寄る事を決めた。 駐在基地に行くと戦闘データを提出しなければならない。つまりGEL-GELの…

METEOS・3

 GEL-GELが飛び出したのを見てから、ラキは眠気を強引に黙らせてブリッジまで走った。 彼の戦いぶりはどこでも見れるのだが、一番よくわかりやすいのはブリッジだからだ。 宇宙空間に飛び出すと、先に出て戦っていたビュウブームやアナサジ、ラスタ…

METEOS・2

 発見されたアンドロイドは、外見上はまるっきりの無傷だった。内部スキャンができないので何とも言えないが、おそらく少し直せばすぐに動けるだろう。 さて、彼をどうするべきか。 廃棄カプセルに捨てられていた以上、彼には何か異常があったのだろう。だ…

METEOS・1

 宇宙に星々が生まれ、その星々で生命が生まれ、文明が栄えて長い時が経った頃。 ある惑星がある惑星と衝突、過度の融合・増殖により暴走、とんでもない悪魔と化した。 かつて、その惑星にも名前があった。だが、防衛の時の流れにその名は忘れられ、人々は…