METEOS・55
「オメガファイル、ですか」 ネスたちの行方を追うために上層部にハッキングを仕掛けていたロゥがふと気になって持ってきた情報。その情報に、フォブが食いついた。「噂程度なら聞いたことがありますな。極秘情報の中でもトップクラスの情報。全宇宙を大きく…
メテオス長編
METEOS・54
連れて行かれた3人と1つのうち、グランネストのみブラーポに残された。 何故自分だけ、と聞いてみたが、回りの大人たちは何一つ答えてくれない。仕方がないので耳を済ませて会話を聞いてみると、どうやら自分には何かが隠されているらしい。 ……グラン…
メテオス長編
METEOS・53
目的のものは収穫はできたものの、メタモアークの全体の強制押収は失敗に終わった。 現場にいた部下からそれを聞かされたグリンズ中将は、いつものふてぶてしい態度をかなぐり捨てて部下に当り散らす。「馬鹿者が! あそこにあるものがどれだけ価値のある…
メテオス長編
METEOS・52
艦長たるもの、いかなる時であっても艦は捨てるな。 士官学校で真っ先に覚えさせられた心得を、クレスはぼんやりと思い出した。(……フェイクとは言え、自爆を命じた私は艦長失格だな) なるべく被害を最小限にと考えた結果、思いついたのがこのフェイク…
メテオス長編
METEOS・51
あの戦いの後、TELOSが転移したのは何とメタモアーク外壁だった。張り付くことにより、全方位のサーチから逃れているのだ。 仮面に覆われていない口が開き、仲間の名を呼ぶ。「パンドラ」 TELOSに名前を呼ばれた仲間――パンドラ・レグセティム…
メテオス長編
METEOS・50
時間は少しだけ巻き戻る。 頭痛が治まらないギガントガッシュの姫は、ずっと医務室で寝込んでいた。 レザリーが薬をくれmニコがずっと世話を焼いてくれていたのだが、それでも頭痛は治まらずに起きる事も出来なかったのだ。 うとうとと眠る間、姫は夢を…
メテオス長編
METEOS・49
――覚えている。あれは、僕が廃棄される少し前のこと。 プロジェクト・ジェネシス。それは僕らの祖体であるTELOSの後継者を生み出す計画。 僕はその32番目の被験体。31人の兄弟の犠牲により生まれた、最後の被験体。 ……犠牲? 違う。 僕が…
メテオス長編
METEOS・48
メテオスを歓迎するかのように響く、メテオスの歌。 その歌に酔いしれるかのように、少年が笑う。最後のシーンを迎えたオペラ歌手のように、両手を広げて彼も歌いだした。「おい、何だよこれは!?」 歌を止めるように大声で叫ぶが、陶酔した彼にはまった…
メテオス長編
METEOS・47
徐々にバケモノと化していく亡き上司と、過去の自分。間違いなく、コメット化の現象そのものである。 しかしそれは、ある一点を越えてから大きく変化した。上司は変化が止まらないが、過去の自分はぴたりと変化が止まったのだ。 そして、消え去っていく侵…
メテオス長編
METEOS・46
恐れていた事が起きてしまった。「お兄ちゃん」 もう一度過去の自分に呼び止められ、ラキの足は完全に止まってしまった。動け、と自分自身に命令しても、足が固まったかのように動かない。 何も知らない過去の自分は、首をかしげながらも「何やってるの?…
メテオス長編
METEOS・45
走ってしばらくして、目標としていたビルがようやく近く見えてきた。それはつまり、人がいる場所が近づいて来たと言うことでもある。 ビュウブームやグランネストたちはともかく、フィアは迂闊に人目のある場所を歩けない。ラキはまだ幼かったからいいもの…
メテオス長編
METEOS・44
「8年前のファイアムだって!? そんなバカな!」 フィアの断言に、最初に飛びついたのはビュウブームだった。隣で、ラスタルも激しく首を縦に振っている。 だがフィアは硬い表情を崩さず、視線を固定したまま淡々と告げた。「あのビルは、今はないのよ。…
メテオス長編