METEOS・67
ヨグ=ソトースがメテオを持ち上げると、そこには潰れたコアあった。さすがにいきなりの超重量には耐えられなかったようだ。 そして、アベルにも変化が起きた。「あがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」 のどが張り裂けんばかりの悲鳴。あれだけの速さを誇…
メテオス長編
METEOS・66
熱い。 コアエリアに入ったビュウブームは、まず最初にそう思った。 暑いのではなく、熱い。空気そのものが燃えているのではないかと思えるくらいの、灼熱のエリアだった。ファイアムやヒートヘッズの熱さとはまた違う。 星の内部と言うのは、等しくその…
メテオス長編
METEOS・65
突然のインパクトに、アベル・グローウィンは大きく揺らいだ。「ぬぐっ……!」 普通の老人なら耐えられない衝撃だが、アベルは何とか壁に手をついてそれに耐えきる。壁についた手がほんの少し崩れるが、それはあくまで些細な事だった。 あともう少し。 …
メテオス長編
METEOS・64
スマート爆弾とは、まだコメットの脅威が広がっていないころに開発された対メテオ用の兵器である。 メテオが物質である以上、原子レベルからの消滅には耐えられない。そこを極限まで突き詰めた結果、超高速で原子をばらばらにしてしまう爆弾が完成した。 …
メテオス長編
METEOS・63
ヒトガタはアンドロイドだけでなく、戦艦にも取りつくようになっていた。 殴る、蹴る、もぐと攻撃方法こそ単純だが、威力が桁違いゆえにダメージは少なくない。既に半壊に近い艦もあるくらいだった。 そんな中、GEL-GELたちが新兵装を用いて彼らを…
メテオス長編
METEOS・62
宇宙基準時間午前4時11分。この時、三つに分かれた惑星メテオスが、ジオライト星エリアまで到達すると予想される。 連合軍はここに最終防衛ラインを敷き、水際防衛と同時にメテオス破壊作戦を行う事になる。「悲願の時は来た」 真ん中……後ろにあるメ…
メテオス長編
METEOS・61
ぐしゃり 一つ。何かが壊れる。 一つ。何かが壊れる。 一つ。何かが壊れる。 一つ。何かが……。「おはよう、TELOS。気分はどう?」 錫を転がすような声が、自分をスリープモードから通常待機モードへと移行させる。「問題ない。おはよう、マスタ…
メテオス長編
METEOS・60
艦長室。 グランネストに代理を任せているものの、正規の艦長であるクレスはここで安静にしていた。 レザリーの労力を考えれば医務室で寝るのがいいのだが、ディアキグが一つ占領している状態でもう一つを占領するのは拙いと判断し、艦長室を選んだのだ。…
メテオス長編
METEOS・59
『メテオス襲来のタイムリミットまで、1週間を切りました。現在、司令本部で破壊作戦の段取りを整えている最中です。 クルーの皆さんは出来る限り早めに準備を終えられるようお願いします』 最終調整中、ラスタルはソーテルに呼び出されて格納庫まで来て…
メテオス長編
METEOS・58
メテオス襲来までのタイムリミットは2週間。 現在ありとあらゆるメディアでは、連合軍が対メテオスの準備を整えているというCMをひっきりなしに流しており、人々の不安を幾分か抑えていた。 上層部から直に命令を受けたメタモアークも、その準備に大わ…
メテオス長編
METEOS・57
上層部から正式にメテオス破壊の命令を受け取った後、フィアたちはGEL-GELたちの反応があった中枢部へと向かった。 中枢は特別な人間でない限り中に入れないのだが、この状況で許可も何もない。そもそも、ドアは最初から切れていた。 GEL-GE…
メテオス長編
METEOS・56
ジオライトを中心に、デジタルネットワークに一つのテキストが割り込んだ。 内容は……とある学者が書いた、メテオスらしき惑星が誕生するその1週間前の記録と、とある団体代表の指示書だった。 メテオスの記録は、ハッキングを仕掛けていた…
メテオス長編