METEOS・79
ロウシェンから今後の進路を聞いたディアキグの言葉は、「そうか」の一言だけだった。「軍を出る以上、教授と別れる事になりますが……」「俺にいちいち報告する必要もないだろう」 薄情とも取れる言葉だが、ディアキグが口下手なのを知っているロウシェン…
メテオス長編
METEOS・78
当然だが、部隊解散に伴い途中から乗ってきた「客」は全員強制的に降ろされることになる。 その旨を姫に伝えると、姫は案外素直にそれを受け入れた。「いいのか?」 クレスが問うと、姫は素直にうなずく。「宇宙の脅威は消えた。もう我が乗り続ける理由も…
メテオス長編
METEOS・77
グランネストが艦長をするという話は、すぐに同じ合成人間であるブビットやジャゴンボにも伝えられた。「ネスが艦長やるって事は……」「俺たちも、その艦に移るのかな」 顔を見合わせる二人。前なら「ついて行く!」と即決だったが、今は何となく顔を見合…
メテオス長編
METEOS・76
メテオスは破壊されたが、その喜びだけで日常を潰すわけにはいかない。そういうわけで、翌日にはほとんどの部隊がそれぞれの任務についていった。 メタモアークもその一つ……と行きたいところだったが、艦長やクルーの治療に部隊解散の事もあり、今も連合…
メテオス長編
METEOS・75
何もない空間に、自分はいた。 辺りをスキャンしても、何も解らない。ここがどれくらい広いかも。 ――ああ、これが「無」と言うものか。 ぼんやりと、そう思う。 何故か思い出せないが、自分はここに放り出されたようだ。もう、ここから出る事は出来な…
メテオス長編
METEOS・74
灼熱の惑星内は、防護服ごしでもめまいがしそうなくらいの熱さだった。 もしここがこのまま残ったとしても、一般人は入れないような危険惑星にするだろうなと思っていたラキは、ふと同じような惑星を思い出した。 その惑星はそれなりに資源があったものの…
メテオス長編
METEOS・73
コアのある部屋。 そこに、黒い十字架と人影があった。「来たか」 人影……TELOSが口を開く。そして構えられる黒い十字架。どうやら語る言葉はないらしく、GEL-GELとヤルダバオトも武器を構えた。 張りつめた空気が一秒、二秒と流れ…… ば…
メテオス長編
METEOS・72
『館長代理! とうとうできたぜ!』 ブリッジにその一言が飛び込んできたのは、リリスのメテオスが飛び去ったのとほぼ同じタイミングだった。 グランネストはメテオスに向かっていたスタッフ全員の無事を確認すると、すぐにカタパルトを開けさせるよう指示…
メテオス長編
METEOS・71
撃たれて息絶えたリリスの体は、あっという間に風化してどこかへと消える。 同時に、リリスが操っていた土塊人形もぐしゃっと鈍い音を立てて崩れた。リリスの消滅によって、かりそめの命も消えたと言うことか。 2人の完全消滅を確認したOREANAは、…
メテオス長編
METEOS・70
シャトルがメテオスに向かって飛んでいく姿は、メタモアークブリッジからでもよく見えた。 肉眼でそれを見送ったネスは、隣に置かれたメタモライトに視線を移し、祈る。(兄様、どうかご無事で!) 蒸し暑いな、と言うのが最初の感想だった。…
メテオス長編
METEOS・69
担いだキャノン砲は、ずしりと重かった。メタモアークの主砲と同じなのだから、無理もない。 それでもアナサジにとって、その重みは苦痛ではない。もともと重い物をたくさん持てるほどの力持ちだったし、グランネストたちの協力でキャノン砲の重量はかなり…
メテオス長編
METEOS・68
GEOLYTEたちがビュウブームたち直接攻撃班と合流したのは、帰還ルートの途中だった。「だ、大丈夫なのだ!?」「ああ、足はちゃんとついてるぜ」「そっちも大丈夫そうね」「おかげさまでな」「GEOLYTE、立ち止まってる暇はありません。急ぎ脱…
メテオス長編