本当に、本当にそれは偶然だった。
いつも通り、カオストーンが生み出したであろうカオスワールドに飛び込んだギャンビッツインを待ち構えていたのは、ただの「無」だった。
「カオスイズムの罠か?」
どちらかともなくつぶやくが、それに関しての答えは返ってこない。お互い顔を見合わせてから一つ頷くと、身長に歩みを進める。
ざっ、と何かが蠢く音がした。
「「!」」
音と共に現れるガオナやガオナクスを見て、瞬時に戦闘態勢を取る2人。久城駆――仮面ライダーケルカが地を蹴るのと同時に、フラリオー―仮面ライダーラリオフが空へと舞いあがった。
ラリオフがハネドリと呼ぶ鳥型ライズ弾を放つ。赤・黄色・緑の三色の鳥が空から襲ってくるので、当然ガオナたちは空を見上げる。そしてそれこそが、ケルカの狙っていた隙そのもの。
「今日は成功しろよ……!」
自称「当たれば役満、外れればチョンボ」の必殺技、ジャックポットトライアタック。幸い今回は当たりの方で、隙を見せたガオナたちを一網打尽にすることが出来た。
笑ってハイタッチを交わし合う2人。後はここらにあるであろうカオストーンを探すだけ、と思いきや。
ざざっと前よりも大きな音がした。
新手かと思って身構える2人だが、今度のガオナたちはこっちに気づかずに歩いていく。
襲撃をかけるか? そう視線でやり取りし、改めてガオナの群れに視線を向ける。
――そして絶句した。
ガオナの群れは相変わらずこちらに気づくことなく、どこかへと行く。……否、もしかしたら、こっちに気づいてもあえて無視して行ったのかもしれない。それだけ統率された動きだった。
だが駆たちが絶句したのはガオナたちのその動きではない。そのガオナたちが守るように囲んでいた「もの」。それがちらりと見えてしまったのだ。
「……駆、見たか?」
フラリオがぽつりとつぶやくように聞く。それに対して、駆はうなずきながら答えた。
「ああ、いたな……」